面ノ木峠       1991年〜2007年-C
面ノ木峠、天狗棚、木地師屋敷跡など
 秋の花とは言っても8月から既に咲き始めるものも多いが、最盛期はやはり9月になってからであろう。
 面ノ木園地の草地ではマツムシソウの群落が満開となり大きな頭花を風になびかせている。負けじとユウガギクも物凄い群生状況だ。ススキ、スズカアザミ、ノコンギクなども秋の風情を盛り立てている。
 渓流沿いの湿ったところではツリフネソウ、キツリフネ、エンシュウツリフネソウが勢ぞろいでお出迎えだ。エンシュツリフネソウはこの地域を中心に割と狭い地域に分布している小振りな種だ。オタカラコウ、カワチブシ、シラネセンキュウ、フクオウソウなどの群生も興味を引く。
 天狗棚方面では、ワタムキアザミ、シコクママコナ、ギンリョウソウモドキ、オクモミジハグマ、ジンバイソウなどを見つけることができる。
 木地師屋敷跡の湿原地帯ではマアザミ、サワギキョウ、サワヒヨドリ、カワチブシ、ミゾソバ、ウメバチソウなどが次々と咲き出す。星型の花をつけるアケボノソウも一画に顔を見せている。白色の花びらに緑色と黒紫色の斑点を施したオシャレな花をつけている。
 周囲にはツリフネソウが群生し溢れんばかりに広がっている。今だに花をつけているフシグロセンノウも見られる。セキヤノアキチョウジオトコエシ、オミナエシ、ヤマニガナ、ツリガネニンジン、ミヤマヤブタバコ、オヤマボクチ、ゴマナ、サラシナショウマなどの花も盛況だ。イヌショウマも勢力を拡大している。花茎が林立する様子は圧巻だ。トモエシオガマはその鮮やかな紅紫色の花が否応無く眼に留まる。そしてヤマラッキョウやリンドウが咲き出すといよいよ紅葉のクライマックスを迎える。
 ところで設楽町側の山麓では湿地にビッチュウフウロ、ムカゴニンジン、サワギキョウなどが見られる。以前はヤチシャジンも自生していたと言われているが現在では絶滅して見られないのが残念だ。
マツムシソウの群生
カワチブシ
トモエシオガマ
ユウガギクの群生