面ノ木峠 1991年〜2007年-B |
面ノ木峠、天狗棚、木地師屋敷跡など |
盛夏になると今までより派手な色の花が目立つようになる。濃いオレンジ色のフシグロセンノウ、ノカンゾウ、ヤブカンゾウ、コオニユリ、オオキツネノカミソリ、ヒオウギ、ヒメヒオウギズイセンなど名前を挙げただけで灼熱の太陽が脳裏に浮かぶ。 面ノ木峠より稲武側へしばらく下ったところにオオキツネノカミソリの群生地がある。元は植栽されたものらしいが今では林床を埋め尽くすぐらいに繁茂している。途中にはテバコモミジガサの群落、黄色い筒状のミゾホオズキの花や地味なオオバチドメの花も見つけることができるだろう。 面ノ木園地から天狗棚方面にかけてはクルマバナ、ウツボグサ、シシウド、ミヤマナミキ、ヤマジノホトトギス、シコクママコナ、イヌトウバナ、オクモミジハグマ、テバコモミジガサ、アカショウマなどを見ることができる。まれにミヤマツチトリモチの変わった花が観察できることもある。カエデ類などに寄生する見た目はキノコのような植物だ。 湿った場所にはミツバ、ミヤマタニソバ、ダイコンソウ、ヤマキツネノボタン、ノブキなどが咲いている。運が良ければオオモミジガサの花にも遭遇することができる。オオモミジガサはモミジガサに似ているが葉や花が大きく、草丈も1m以上になる立派な種だ。 木地師屋敷跡の湿原地帯ではコオニユリ、チダケサシ、オオバギボウシ、ハンゴンソウ、アカバナ、オオヤマサギソウ、ヌマトラノオ、ミツモトソウなど、周辺ではウバユリ、フシグロセンノウ、シロバナイナモリソウ、コフウロ、ママコナ、イヌトウバナ、ヤブカンゾウ、ヌスビトハギ、トリアシショウマ、クサアジサイなどが次から次へと咲き続き花が途切れることがない。樹木の花は少ないがリョウブ、ノリウツギ、タマアジサイがこの時期に目立つ。 次第に暑さも和らいで秋の気配が漂う山地高原に移り変わっていく。 |