北岳          1984年8月11日〜12日
広河原〜大樺沢〜八本歯のコル〜トラバース道〜北岳山荘(泊)〜北岳山頂〜肩ノ小屋〜草すべり〜白根御池小屋〜広河原
 南アルプスにある花の名山北岳に初めて登頂したのは1984年8月だった。当時はお盆休み期間の週末を利用したため、山小屋は人で溢れかえり、その込み方は半端でなかった。何しろ一畳ほどのスペースに3人が寝ることになり、頭と足を交互にして寝る状態だった。つまり顔の両側に隣の人の足を見ながら寝るということだった。これに懲りて、それ以来、週末の登山は避けるようになった。
 ところでブロッケン現象という言葉を知っているだろうか。太陽の光が背後から差し込み霧粒によって光が散乱されて、見る人の影の周りに光の輪になって現れる現象のことだ。虹と似た現象である。決して珍しい現象ではなく、山岳地帯では時折見られるようだ。この時も確認できた。その様子は左に掲載した写真の通りである。
 以下に観察した主な花を列挙した。
 ソバナ、レンゲショウマ、ミソガワソウ、ミヤマミミナグサ、ミヤマハナシノブ、タカネグンナイフウロ、イブキトラノオ、タカネナデシコ、タカネスイバ、ミヤマシャジン、ミヤママンネングサ、シロウマオウギ、シロバナタカネビランジ、ミヤマウイキョウ、チシマギキョウ、ミヤマアシボソスゲ、イワスゲ、タカネヒゴタイ、ミヤマオトコヨモギ、ミネウスユキソウ、イブキジャコウソウ、キンロバイ、ハハコヨモギ、キタダケヨモギ、タカネコウリンカ、ハゴロモグサ、キタダケトリカブト、トウヤクリンドウ、ヨツバシオガマ、タカネシオガマ、クルマユリ、ヤツガタケタンポポ、コバノコゴメグサ、シコタンソウ、イワインチン、タカネヤハズハハコ、タカネマンテマ、ミヤマムラサキ、ムカゴユキノシタ、シコタンハコベ、ウラジロキンバイ、ミヤマシシウド、トモエシオガマ、マルバダケブキ、エゾリンドウ、ミヤマコウゾリナ、センジョウアザミ、センジュガンピ、オオハクサンサイコ、クガイソウなど。
 せっかく花の名山に登頂したのに今一つ印象が良くなかったのは山小屋の込み方のせいである。
北岳山荘付近より北岳山頂を望む
ブロッケン現象
キンロバイ
タカネシオガマ
ムカゴユキノシタ