北岳          2008年7月5〜6日
広河原〜大樺沢〜八本歯ノコル〜トラバース道〜北岳山荘(泊)〜中白峰(往復)〜北岳山頂〜肩ノ小屋〜草すべり〜右股コース〜大樺沢〜広河原
 憧れの花キタダケソウに会うことができた。雪解けとともに咲き始めるので早い時期に登らなくては見られないことは分かっていた。ただしこの時期は梅雨の真っ只中で天候が不安定でなかなかよい機会がなかった。今年は好天に恵まれ意を決して出かけることにした。なぜか今まであえて観察に出かけなかったような気がする。それは大切に残しておきたい宝物のような存在だったのかもしれない。
 大樺沢には雪渓が広がり、白馬岳の大雪渓を髣髴とさせる登りだった。予想以上にきつい登りに時間をとられてしまい、キタダケソウの自生地に達する頃には陽も傾きかけていた。以前盗掘の被害に会い心配していたが、雪解けの遅いところではまだたくさんの新鮮なキタダケソウが微笑んでくれた。時間を掛けて逢瀬を楽しんだのはもちろんのことだった。ハクサンイチゲ、オヤマノエンドウ、ミヤマキンバイなどが形成するお花畑を観察しながら北岳山荘にやっと辿り着いた。他に見られた植物はコイワカガミ、イワベンケイ、シナノキンバイ、チシマアマナ、ミヤマハタザオ、ミヤマハンノキ、ウラジロナナカマド、ミヤマクロウスゴヒメゴヨウイチゴ、ツルキンバイ、ヒロハコンロンソウ、ズダヤクシュ、ヒメタケシマラン、チシマネコンメソウ、ツルネコノメソウ、クリンソウ、サンリンソウ、レンプクソウ、キタダケデンダなどだった。
 翌日は中白峰まで往復した。北岳山頂付近と同様な植物が観察できるのでまず出かけてみた。クモマナズナシロウマナズナイワウメミヤマタネツケバナ、キバナシャクナゲ、ミヤマコウボウ、レンゲイワヤナギ、ナヨシダなどを撮影して北岳山頂に向かった。コメバツガザクラ、ツガザクラ、ミドリハクサンイチゲ、チョウノスケソウ、シロウマオウギ、ミネズオウ、イワスゲ、タカネナルコ、ウラシマツツジ、アカイシキバナノコマノツメ、ハクサンチドリ、ヒメイチゲ、バイケイソウ、ミネザクラ、アイヅシモツケミヤマメシダなど見ながら山頂から広河原まで一気に下った。
 久しぶりの高山帯で酷く疲れたが、それ以上の収穫が得られ満足の旅路だった。
北岳山頂(北岳山荘付近より)
キタダケソウ
お花畑(ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、オヤマノエンドウ)