木曽駒ヶ岳     1992年7月23日〜24日
千畳敷駅〜乗越浄土〜宝剣山荘(泊)〜中岳〜木曽駒ヶ岳〜馬の背〜濃ヶ池〜乗越浄土〜宝剣岳〜極楽平〜千畳敷駅
 木曽駒ヶ岳はロープウェイを利用すれば誰でも千畳敷カールの高山帯まで運んでくれる。駅を一歩出れば高山植物が出迎えてくれる別天地だ。
 駅を出ると7月下旬なのに涼しく、お花畑の中を乗越浄土へ向かった。ハクサンイチゲ、キバナノコマノツメ、シナノキンバイ、ツガザクラ、イワウメ、コメバツガザクラが咲き、まだキバナシャクナゲの花が観察できた。花崗岩の砂礫地にはチシマアマナ、ミヤマキンバイ、コイワカガミ、コケモモも見られた。乗越浄土付近まで来るとコマウスユキソウも出現した。宝剣岳の西側には天狗の格好をした天狗岩が聳えていた。天狗岩のシルエットが夕暮れの雰囲気を演出し、御岳山に沈む夕日が輝いて美しかった。
 翌日は木曽駒ヶ岳山頂を目指した。ミヤマシオガマ、ハクサンイチゲ、オヤマノエンドウなどが色鮮やかな群落を形成していた。山頂からは馬の背を下った。花崗岩の砂礫地ではミヤマキンバイとオヤマノエンドウが群生しその色のコントラストが見事だった。ミネズオウ、シナノキンバイなど見ながら下ると濃ヶ池へ出た。この付近には湿生植物が見られ、ミヤマキンポウゲ、クロユリ、コマガタケスグリ、クロウスゴ、ウラジロナナカマドなど様々な植物が顔をのぞかせていた。乗越浄土までの岩場にはコマウスユキソウが誇らしげに花をつけていた。小さくても凛々しく存在感は抜群であった。その他イワベンケイ、コイワカガミ、ツガザクラの群生も認められた。
 宝剣岳の岩場を慎重に登ると山頂はすぐだった。景色の良い山頂を後にし極楽平へ下った。ここにはハハコヨモギの群生が広がっていた。分布は限られており他には北岳などで見られるぐらいだ。花崗岩の岩場にはクモマスミレが逞しく花開いていた。タカネツメクサ、チングルマ、キバナノコマノツメなどを撮影し千畳敷駅まで辿り着いた。
コマウスユキソウ
クモマスミレ
夕暮れの天狗岩と三ノ沢岳