霧立山地(白岩山)     1999年9月29日
かしばる峠スキー場駐車場〜登山口〜日肥峠〜白岩山山頂(往復)
 九州脊梁山地の一画に霧立越えというところがある。熊本県と宮崎県の県境付近に広がる山岳地帯でスキー場が開設されて有名になりつつある。その中のひとつに白岩山がある。この山の山頂には石灰岩が露出して他の地域ではあまり見られないような植物が自生している。イワギクは代表種で秋の白岩山では満開の様子に出会える。ある時九州地方に咲く秋の花を撮影に出かけたことがあったが、その時に立ち寄ったのが白岩山だった。
 かしばる峠スキー場までの道路は舗装を修復したりして工事中のところが目立っていた。駐車場に到着すると、看板があり霧立山地の植物の解説が記載されていた。そこにはキレンゲショウマも自生していると書かれていたが、夏にまたここまでやってくるのは大変だなと思った。
 林道を歩き始めると様々な秋の花が迎えてくれた。アキノキリンソウ、シロヨメナ、ヘイケモリアザミなどが林道脇にちらほらと出現した。ヘイケモリアザミは九州中部に分布するアザミで花時にも羽状中裂した根生葉が残っているのが特徴だった。湿ったところにはオタカラコウ、クロクモソウ、アケボノソウなどが観察できた。オタカラコウは群生していたが、花は終わりかけで残っている数は少なかった。
 山道はそれほど急な登りではなく、白岩山の山頂までは比較的登りやすかった。目を引いたのはシオガマギクの鮮やかな紅紫色の花、タンナトリカブトの紫色の花、そしてイワギクの純白の舌状花と黄色の筒状花の組み合わせの見事な花だった。その中でも石灰岩のみにくっついて咲いているイワギクは何とも秀麗だった。
 その他にはツクシトウヒレン、ノダケ、シコクママコナ、ハガクレツリフネなどの花やホタルサイコの果実などが認められた。
 石灰岩や蛇紋岩でできた山には特徴のある植物が自生し興味が尽きない。
九州脊梁山地を背景に咲くイワギク
シオガマギク
タンナトリカブト