治部坂高原     2007年10月21日
治部坂高原→馬の背〜林道〜蛇峠山山頂〜遊歩道〜馬の背→治部坂高原
 長野県には日本アルプスの山々など標高2000m以上の山が数多くあり、今回の蛇峠山は標高1664mで山岳ガイド本などでも取り上げられることが少ない。この山にホソバノツルリンドウが咲くことを知ったのはインターネットを通してだった。
 治部坂高原はスキー場や観光センターなどがあり休日の賑わいを見せていた。林道をくねくねと登ると別荘地が点在し、さらに上部の馬の背まで車でたどり着くことができた。ここから山頂までゆっくり歩いても1時間ほどだった。
 舗装された林道を進むといきなりホソバノツルリンドウが他の植物に絡み付いて花をぶら下げているのが目に飛び込んできた。これほど簡単に見られるとは驚きだった。想像したよりも茎は細く弱々しい感じの植物だった。周囲にはノコンギク、ヒメジョオン、ゴマナ、ヤクシソウ、ヤマハハコ、リンドウ、マツムシソウ、ツリガネニンジン、ウメバチソウの花が残っていた。
 木々の紅葉については今年は気温が高い日が続いたせいか、いまひとつ美しさに欠けていた。それでもオオイタヤメイゲツ、ウリハダカエデ、ヒナウチワカエデ、コミネカエデ、モトゲイタヤ、コシアブラ、ヤマブドウ、シラカバなどが眼にも鮮やかな紅葉を楽しませてくれた。果実が美しいのはガマズミ、マユミなどだった。
 山頂の狼煙台跡に出ると絶景に思わず立ち尽くしてしまった。治部坂高原を挟んで対面に大川入山が聳え、背後にわずかに恵那山が頭を覗かせていた。次に御岳山、乗鞍岳、槍穂高連峰、正面には南駒ヶ岳をはじめとした中央アルプスがどっしりと構え、右手には南アルプスの山並みが手に取るように見渡せたのだった。日本アルプスの絶好の展望台だった。
 帰路は遊歩道を下ったが森林内には花が少なかった。山麓でフクオウソウ、オヤマボクチ、シロヨメナ、リンドウ、ノコンギク、マルバノキなど撮影してゆっくりと秋の一日を満喫できた。
蛇峠山狼煙台跡からの南アルプスの遠望
ホソバノツルリンドウ
リンドウ
オオイタヤメイゲツ