石垣島    1992年3月5日、3月25日-26日、4月14日
川平湾、平久保崎、御神崎など
 石垣島に到着してまず気付いたのは蝶の種類が多いことだった。オオゴマダラ、リュウキュウアサギマダラ、スジグロカバマダラなどがハイビスカス、ブーゲンビレアの花々を普通に飛び交っていた。昆虫のみならず植生も豊かでかなりの種類の植物を観察することができた。今回は海岸とその周辺に見られた植物を紹介した。
 川平湾はサンゴ礁に囲まれた美しい湾で黒真珠の養殖でも知られている。ここではグラスボートに乗り海中見学ができた。極彩色の海中風景は今でも忘れることができないほど鮮明に脳裏に残っている。砂浜ではイリオモテアザミ、キダチハマグルマ、ハマボッス、ヒメキランソウが花開き、海岸林や岩場ではイボタクサギ、モンパノキ、シマフジバカマ、リュウキュウコスミレ、テッポウユリなどが見られた。
 平久保崎ではアサガオガラクサがその名のとおり朝顔に似た花をつけていた。シナガワハギ、ルリハコベも顔を見せていた。その他途中の海岸付近で見られたのはモンパノキ、トベラ、ホソバシャリンバイなどであった。
 御神崎はテッポウユリの群生が有名でちょうど4月に訪れたときは花盛りだった。白い大きな花は青い海を背景にして引き立っていた。付近にはハマウド、ハマボッス、ミツバノコマツナギが生息していた。ハマアズキが群落を成しグンバイヒルガオと混生している砂浜があった。防潮林として植えられたトクサバモクマオウが大きく育っている海岸もあった。アダンも混じっていた。また海岸林で枝に留まるリュウキュウアカショウビンと対面したこともあった。
 島内各地の河川ではマングローブが広がり、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギなどが群生林を形成していたが、西表島ほど大規模なものではなかった。
 シダ植物も豊富に見られ、海岸に近いところではハチジョウシダ、オニヤブソテツ、オキナワウラボシなどが岩場にくっついていた。
テッポウユリ
ハマウド
イリオモテアザミ
ハマアズキとグンバイヒルガオの混生