伊吹山      2008年9月14日
山麓駐車場〜樹林帯〜五合目〜伊吹山山頂草原(往復)
 伊吹山には春から秋まで何度も足を運んだことがある。そのため伊吹山に生えている植物はほとんど残らず見てきたのではないかと考えていた。ところがこれは間違いだということに気付かされた。山麓から登る伊吹山にはまだまだ多くの植物が自生していることを思い知らされた山行だった。
 伊吹山は山頂付近には草原地帯が広がっているが、山麓には森林地帯が残されていて、涼しげな渓流沿いにはツリフネソウが群生して賑わっていた。高度を上げるにつれて樹林帯が途切れて草原地帯が現れたかと思うとまた樹林帯に入る繰り返しがしばらく続いた。草原地帯にはゲンノショウコが見られたが、赤花と白花が同じくらいの割合で認められた。地域によって比率が異なるようだ。他にはレモンエゴマ、ハイメドハギ、ヤブツルアズキ、ヤブマメ、ツルボ、オトコエシ、ヒメキンミズヒキ、カラスノゴマ、アブラススキなどが生えていた。
 樹林帯の林内や林縁にはジャコウソウ、フシグロセンノウ、ミズタマソウ、ハナタデがチラホラと咲いていた。しばらくすると小型のツリフネソウの仲間が現れた。これはエンシュウツリフネソウだった。茶臼山周辺で観察できるだけかと思っていたが伊吹山でも見られることを初めて知った。加えてマネキグサも現れた。石灰岩地に良く見られるようだ。
 ガレ場に入ると奇妙な花が眼に飛び込んできた。ヒナノキンチャクだった。高さはせいぜい10cm程度の小さな植物で、2mmほどの小さな花をつけるので見逃してしまいそうだった。花を拡大して見るとなんと可愛らしいことか。
 山頂草原に達するといつもの賑わいだった。見られた植物はイブキコゴメグサ、イブキアザミコイブキアザミイブキトリカブト、イブキレイジンソウ、シデシャジン、サラシナショウマ、クサボタン、クサフジ、クルマバナ、ヒメフウロ、ミツバフウロ、キリンソウ、ミツモトソウ、フジテンニンソウ、ダイモンジソウ、アカソ、ススキ、ヤマゼリ、イブキゼリモドキ、シオガマギク、タニソバ、ベンケイソウ、アキノキリンソウ、キオンなどだった。
ヒナノキンチャク
イブキレイジンソウ
イブキコゴメグサ
マネキグサ
エンシュウツリフネソウ