本宮山、くらがり渓谷   2012年3月15日、2006年5月1日
本宮山山頂、砥鹿神社奥宮、くらがり渓谷など
 本宮山は愛知県の豊川市、新城市、岡崎市境に位置している標高789..2mの山で、山頂には古くから信仰を集めてきた砥鹿神社奥宮がある。各方面から登山道が整備されているが、岡崎市側のくらがり渓谷から登ることもできる。山頂付近は神域として保護されておりスギの巨木などが見られる。また山麓のくらがり渓谷では湿生植物が数多く観察できる。
 春にはスミレの仲間、テンナンショウの仲間、ネコノメソウの仲間などが次から次へと出現する。
 山頂付近ではヒメミヤマスミレが所々で眼に入る。フモトスミレと似ているが、やや花弁が細い感じがする。シロバナナガバノスミレサイシンも同時に見ることができる。山麓ではアリアケスミレ、スミレなどが開花している。
 ムロウマムシグサはムロウテンナンショウと名前が紛らわしいため、別名キシダマムシグサとも呼ばれる。近畿地方に主に分布しているが、当地でも見ることができる。この辺りで普通に見られるスルガテンナンショウは付属体の先が丸く広がっているので見分けやすい。
 愛知、岐阜、長野三県の県境付近を中心に分布しているトウノウネコノメを観察することができる。雄しべが萼裂片より長く、外へ突き出しているのが特徴である。ヤマネコノメソウ、タチネコノメソウも湿ったところで目に付く。
 岩場ではナンカイイワカガミの白い花を見かけたこともある。目立たないが足元ではヒメカンアオイの花も開花中だ。
 他にもアセビ、ユリワサビ、タニギキョウ、ヤブニンジン、ヒメレンゲ、ミヤマシキミ、ヒナスゲなどが認められる。
 また早春には前年に実ったマンリョウの赤い実やキミノセンリョウの黄色い実が輝いて美しい。
ムロウマムシグサ
トウノウネコノメ
ヒメミヤマスミレ
キミノセンリョウ