箱根山(金時山)     2006年9月21日
金時登山口〜矢倉沢峠〜金時神社分岐〜金時山〜乙女峠〜乙女口〜金時登山口
 金時山は標高では神山や駒ヶ岳などの中央火口丘の山々には及ばないが、箱根外輪山の最高峰で1212.5mあり、植物の分布という点では他の箱根の山々とは少し異なっている。隣接する丹沢に分布する植物が箱根では金時山のみに見られる種がある。たとえばタンザワヒゴタイ、ヒトツバショウマ、イワシャジンなどである。また金時山の名前を冠した植物がいくつかある。たとえばキントキヒゴタイ、キントキシロヨメナなどである。そのため中央火口丘の山々と並んで植物好きな人には興味津々な山と言える。
 2006年9月21日に金時登山口から山頂を目指し乙女峠へ下るルートを踏破した。最初は舗装道路を歩くが周囲にはアカネ、ツリフネソウ、ミゾソバが咲いていた。山道に入るとササが多く林床を被っていた。箱根にはササが多いようだ。所々でガンクビソウ、チジミザサ、ホトトギス、ヤマハッカ、キンミズヒキ、コウゾリナなどの花が単調な登りの疲れを癒してくれた。
 矢倉沢峠からは尾根道を登るが道脇には花が多くなってきた。シロバナイナモリソウイワニンジン、トネアザミ、ホソエノアザミ、オトコヨモギ、マツムシソウ、フジアザミ、クサボタン、ハコネギク、タテヤマギク、ノコンギク、ミヤマヤブタバコが次々と登場した。そして目的のキントキヒゴタイ、タンザワヒゴタイ、キントキシロヨメナも現われて盛況であった。ただしキントキヒゴタイとタンザワヒゴタイの数は少なくわずかに見られたのみであった。
 金時山頂はウィークデイというのに登山客で賑わっていた。残念ながら富士山の展望はできずややもの足りなかったが付近ではハコネトリカブト、ハコネギク、テンニンソウ、ウラハグサなどが観察できた。
 下山道沿いではツチアケビの赤い実やハンカイシオガマ、オトメアオイ、アズマヤマアザミ、ツルニンジン、イワニンジン、シロヨメナ、モミジガサスズメウリ、オトコエシなどが目に留まった。
キントキヒゴタイ
ハンカイシオガマ
キントキシロヨメナ
ツチアケビの実
ハコネギク