御在所岳           2004年8月26日
湯の山温泉→ロープウェイ山頂駅〜御在所岳山頂〜武平峠〜湯の山温泉
 御在所岳は観光地化されており、山麓の湯ノ山温泉から山頂直下までロープウェイが通じている。若年の頃は往複とも歩いて挑戦したものだが、次第に往路にロープウェイを利用して歩いて下山することが通例になってしまった。年とともに活動範囲が狭まるのは致し方ないところなのかもしれない。
 御在所岳といえば春に咲くアカヤシオシロヤシオ、ベニドウダン、サラサドウダンなどツツジの仲間が有名であるが、古くから本草学者らに研究されてきたため、この山域で発見された植物もいくつかある。たとえば、コモノギクは菰野町の名前、またイナモリソウは稲森谷の名前が冠されている。
 イナモリソウは別の場所で既に観察してきたため、今回はコモノギクに的を絞り、開花時期をあわせて探索に訪れた。山頂から登山道を下っていくと、お目当てのコモノギクが岩場に現れ始めた。数は多くなかったが、所々でその端麗な姿を楽しませてくれた。花色は淡紅紫色だが、思っていたよりもずっと淡く、むしろ白色に近いと感じた。花の直径は2.5cmほどだろうか。岩場で他の植物と紛れることなく凛として咲いていた。
 夏の暑いシーズンでもあり、開花している植物は少なかった。それでも林床や林縁などではシコクママコナが花盛りだった。シコクママコナの名前が付いているが東海地方から四国、九州に分布するママコナの仲間だ。
 オトギリソウの鮮やかな黄色い花も目立っていた。オトギリソウの花や葉をアップで観察すると黒点や明点が点々とあるのが良く解かって、興味深いものだった。
 湿った水辺にはミズタマソウが開花して面白い形の花をアップで観察することができた。その他、ホツツジ、ヤマハギ、キハギ、ヤブマオ、アカソ、イノコズチ、イタドリ、キンミズヒキなど秋の訪れを思わせる花たちが目に付いた。
 帰り際に林縁で面白い形をした果実を発見した。まるで羽根突きの羽の形にそっくりだった。まさにその名のとおりツクバネの果実だった。
コモノギク
オトギリソウ
シコクママコナ
ミズタマソウ