藤原岳       2006年9月15日
西藤原駅〜聖宝寺〜大貝戸道〜八合目〜非難小屋〜八合目〜大貝戸道〜西藤原駅
 三岐鉄道の列車に乗るときは進行方向の右側座席に座ることにしている。なぜなら対面座席のため左側の車窓から鈴鹿山脈を眺めることができるからだ。鎌ヶ岳、御在所岳、釈迦ヶ岳、竜ヶ岳、藤原岳と徐々に迫り登頂意欲をそそられる。大糸線に乗り北アルプスを眺める光景にも似ている。
 2006年に久しぶりに秋の藤原岳を訪れた。終点の西藤原駅で列車を降りると聖宝寺まで進み、付近でカリガネソウを撮影した。紫色の面白い形をした花が以前見かけた場所で相変わらず咲いていてくれて嬉しかった。開花状況はちょうど良い具合だった。他にはミズヒキ、ギンミズヒキシュウブンソウ、スズカアザミ、ハナタデ、ゲンノショウコ、レモンエゴマ、ネナシカズラ、カシワバハグマ、センダングサなど秋の花が咲き始めていた。
 さらに登ろうとすると登山道にロープが張られ通行止めになっていた。ここで引き返すのも癪なので先の様子を窺うと、すぐ上の沢沿いで土砂崩れのため通行できそうになかった。引き返し大貝戸道へ迂回した。なんと坂本谷道に続いて聖宝寺道まで崩れてしまうとは恐ろしいものだ。
 やむをえず大貝戸道を行くと開けた場所ではヤブタバコ、ハグロソウ、フユイチゴ、キンミズヒキが咲いていたが植林地帯を進むため植物の種類は少なかった。それでもヤマミズ、マツカゼソウ、オオハンゲムラサキニガナ、ヤマジノホトトギスの花も見られた。
 山頂草原ではお目当てのカワチブシの群生が認められたが時期的にやや遅く葉が枯れかかっていた。しかし同時にテンニンソウの群生も広がり素晴らしい光景だった。ミカエリソウは蕾だったがシロヨメナ、アケボノソウ、シギンカラマツの花やテバコワラビ、コバノヒノキシダなども観察でき秋の一日を十分に楽しむことができた。最後にこの時期にはヤマビルがいるので注意したい。
カワチブシとテンニンソウの群生
スズカアザミ
アケボノソウ
カリガネソウ