渥美半島      2016年8月9日、2015年8月18日
ヤマモガシの巻
 渥美半島にはそれほど高い山があるわけではなく、せいぜい標高300mほどの低山が連なる地域である。地元とは言え、あまり山の植物には注目してこなかったのが事実である。
 それがひょんなことからヤマモガシという木がこの地域に自生していることを知った。樹木に関しては関心があったものの、草花ほど興味をそそられることはなく、二の次になってしまっていた。詳しく調べるうちに、渥美半島には常緑樹林が発達した自然林が残されているところがあることが分かった。
 その結果、ヤマモガシをはじめとして、ホルトノキ、ミミズバイ、クロバイ、シタキソウ、サカキカズラ、ホウライカズラ、リュウキュウマメガキ、トキワガキ、イヌガシ、シロダモなど主に暖地に生える特徴的な樹種が数え上げればきりがないほど生息していることが判明した。
 ここではまずヤマモガシについて見ていくことにしよう。モガシとはホルトノキの別名で、山に生えて果序の様子が似ているところからこの和名がつけられている。ところで当地では決して住み分けしているわけではなく両種ともに同所的に自生している。太平洋側の海岸に近い常緑樹林内に点々と生えるが数は少なく、あまり見かけない。夏にブラシのような黄白色の花が咲く。果実は黒紫色に熟し、確かにホルトノキに似ている。
 当地では8月上中旬に開花するが、この時期に同時に観察できた植物は、ホルトノキ、リョウブ、ナツフジ、アオツヅラフジ、ヒヨドリジョウゴ、ヘクソカズラ、サネカズラ、クサギ、フユイチゴなどだった。
 また少し前の7月下旬にはミミズバイ、ホルトノキ、マンリョウ、フユイチゴ、カクレミノ、クマヤナギカラスザンショウ、イヌザンショウ、アマチャヅルなどが開花しているのが見て取れた。
 渥美半島に自生する樹種がきわめて多彩であることが改めて確かめられた。
ヤマモガシ
ミミズバイ
ホルトノキ(モガシ)