奄美大島      1989年7月4日〜8日-@
あやまる岬、赤尾木、大浜海岸、住用川など
 奄美空港はサンゴ礁の海岸に造られていた。さすがにここまで来ると海の青さが違った。空港から移動中の車窓には亜熱帯の自然林が広がり興味が尽きなかった。島内の数箇所で植物を観察できたので2回に分けて紹介した。
 まず今回は海岸に咲く植物を中心に解説した。笠利町あやまる岬ではソテツが群生し見事だった。植栽されたハイビスカスの赤い花やクサトベラの白い花、シナガワハギの黄色い花などが咲き海岸の風景を楽しむことができた。またオオシマコバンノキの赤い実が印象的だった。
 大浜海岸ではグンバイヒルガオが群落をつくり一面に広がっていた。一部には黄色いアメリカネナシカズラも巻きついていた。ハマアズキやハマゴウも部分的に群生が認められた。夏の海岸の代表とも言えるハマオモトは花茎をいっぱいに伸ばし目立ちたがり屋だった。クロイワザサはイネ科植物とは思えないほどきれいな白い花をつけていた。地味ではあるがハマタイゲキやスナヅルも花を添えていた。
 海岸林ではオオハマボウの黄色で大きな花が目にとまった。ハマボウと比べて樹高は高く花や葉も大きい感じがした。アダンの実はオレンジ色に熟し始めていた。アダンとともにクサトベラが最前線で群落をつくり、ミツバハマゴウが伸び、下草にはキキョウランオキナワクルマバナ、クロイワザサなどが加わっていた。
 住用川の河口ではマングローブが発達しオヒルギとメヒルギが群落を形成していた。南方の島に行くほどマングローブの規模はだんだん大きくなってきた。
 その他海岸地域で目に付いたのはキダチハマグルマ、クマノギク、ハマナタマメニオウヤブマオ、マサキ、ガジュマル等々数え挙げたらきりがなかった。奄美にはまだいろいろな植物が隠れているようで次回の探索が楽しみである。
グンバイヒルガオの群落
クサトベラ
クロイワザサ
ハマアズキ