大正村明智の森   2008年9月23日、2015年9月30日-A
木の実の森、くすりの森、渓流広場、菖蒲園など
 大正池を後にして散策路をあちらこちらと探し回った。早速現れたのはクルマバハグマとオクモミジハグマだった。林内のところどころで群生していてその数が多いことに驚かされた。花はちょうど満開の時期を迎えていた。余りにも見事な開花状況のため撮影に時間がかかり、またしても足止めを食らってしまった。
 林内でもう一種目立つ花があった。それはシコクママコナだった。数えきれないくらい多くの花をつけた大株が林床を彩って美しかった。場所によっては林床を埋め尽くすほどの勢いだった。
 散策路の脇や谷沿いの流れの側では湿った場所が点在し、一部では湿地状態になり、様々な湿生植物が観察できた。目的のシラヒゲソウは名前のように花弁の先が糸状に細裂する精巧な花をつけて見事に群生していた。さすがに一見の価値があると思われた。
 マアザミ、スイラン、アカバナ、サワギキョウ、イワショプブ、サワシロギクなどの湿地ではお馴染みの花たちが次々と登場して見ている者を飽きさせることがなかった。ヌマガヤ、アブラガヤなどの地味な花に混じって、一際輝いていたのがコムラサキの紫色の果実だった。
 そういえば樹種も豊富で、赤い果実をつけたものは、アクシバ、ナンキンナナカマド、ガマズミ、ウメモドキ、コブシなど続々と挙げられた。一方、紫色から黒色の果実はヒトツバタゴ、チゴユリ、タチシオデなどだった。
 他にもコウヤミズキ、コシアブラ、ミズナラ、ツクバネなど様々な果実を目にすることができた。特にツクバネは名前のように羽付きの羽そっくりで面白かった。すでに始まった紅葉も美しく、イロハモミジなどが変色し始めていた。
 最後に今まで挙げられていなかった花たちをまとめて紹介した。ミヤマウズラ、ヤクシソウ、ノコンギク、オオケタデ、ヒガンバナ、オトコエシ、ツルリンドウ、タムラソウ、ウシクグ、マルバハギなどかなりの雑多な植物が観察できたことになった。
シラヒゲソウの群生
クルマバハグマ
ナンキンナナカマドの果実
マアザミ
ツクバネの果実